デビル(Devil)


デビル [DVD]


落下で始まりますがハプニングではありません。サクっと飽きもなく観られる比較的短い作品ですのでもう寒くなりましたが皆でわいわいコタツ鑑賞に適しているかもしれません。シャマラン最新『エアベンダー』みたいに爆笑の渦とはいきませんが『ハプニング』『レディ・イン・ザ・ウォーター』のあたりの観終わったあと「どーしてくれんねんコレ」的な雰囲気にはならず一応シャマラン好きではない方でも納得できる仕上がりとなっています。逆ってなんだよと思いながら逆に言うと、シャマランファンには少々物足りない、なにかこう手堅くまとめた感があるのは否めません。「あーぁやっちゃったよw」が無いんですね。シャマランが監督していないのですから当然のことでしょう。観たものを崖から突き落として自分は上から紙飛行機を投げて遊ぶようなあの突き放し法は『シックスセンス』以降コツコツと貯金を切り崩しながら築いた基礎のしっかりしたシャマラン本人以外が真似したところでキャリアの命とりとなること必至です。
個人的には(この作品の企画が発表された当時から)、出たがりシャマラン先生が悪魔のメイクをしてババーン!と登場で観客の度肝をぬくラストシーンを期待していたわけですが、それはエンドクレジットの後DVDメニューに戻るまで目を皿にしてみてましたがありませんでした。そんな僕の無念を少しだけ癒してくれたのがマットレスセールスマン:ビンス・マコーミック(エレベータが止まって最初に"This is not good."というエキゾチックな顔面の人)として登場するジェフリー・エアンドという俳優さんでした。なんとなくシャマランに似ている、それだけの理由ですが、似ているだけに登場して以降ずっといつシャマランに化けるのか期待してしまいましたのでプラスマイナスゼロかもしれません。
シャマラン本人は監督せず、原案と制作に関わるだけのこの「ナイトクロニクル」シリーズは3部作を予定しているらしくあと2作のこっているわけですがあと2作と言わず、クオリティダダさがりでも構わないので200作くらい続けてもらって時々シャマラン本人が監督したり降臨するのを楽しみにするようなシリーズとして頂きたい次第であります。


wikipedia:デビル_(2010年の映画)